時間なんて 止まっちゃえばいい。
ここだけでいい、時間なんて なくなればいい。
時計の刻む音さえ、耳につくほど この静かな空間に、 
時間なんて、何の意味もないというのに。。
とまれ。。
『 毛 糸 玉 』
少し 冒険気分。。
ひとりで ここに来るなんて、初めてなんだもん。。
本当に入れるのかなぁ、、これがあれば。
バックの ポケットの中から、ひとつの鍵を取り出す。
・・・そう、去年のクリスマス オルゴールの引き出しに入っていた あの鍵。
ドキドキしながら、エントランスを通り 彼がしていたのと同じ事をして、無事エレベーターに乗る。
この時点で、もう 破裂しそうなほど ドキドキ。
。。。てか、ここまで来る間にも かな〜り ドキドキしてたんですがね。(苦笑)
彼の部屋のある階で エレベーターから降りる。
さすがは芸能人・・・初めて 連れてきてもらったときに思ったことだ。
ここで降りた時、誰かに会ったりしないように この階にはひとつの扉しかないんだ。。
つまり、このワンフロア 全てが彼の部屋ということになる。
お陰で 階さえ間違えなければ 迷う事は まず ないわけだね、いくら 方向音痴の私でも。
で、、、鍵。。
胸のドキドキは 只今 絶頂。 どんどん 高鳴ってきてるのが自分でも分かるんだってば。
ホントに どんどん その胸の高鳴り 、ドキドキは ひどくなってきてるの。
苦しいんだか、なんだか・・・けど、それって 嫌な 苦しさじゃないのよ。。。何なんだろう、言葉には出来ないけど。
・・・カチャ。。。お! 開いた・・・ 開いたぁ!!!
↑ はは・・・ついつい 興奮してしまった。。 ^^;
本当に開くのだろうか、、、などと この期に及んで 扉を引いてみる。。
当然といえば当然、、、、扉は 難なく開いた。
扉をくぐり 中に入って、パタン。。。と閉める。
・・・一呼吸ついて、、、「やったっ♪」、、、←お前は何者だよ、、絶対に怪しいぞ。。胸の前でガッツv って。(汗)
靴を脱いで そのまま バリアフリーのフローリングの廊下に 足を乗せる。。
さっきよりは落着いたものの、やっぱり 光ちゃんのいない この部屋は 不思議な感じがした。
不要な物の何もない、整然とした空間は 彼らしいというべきか、男の子らしいというべきか。
そんな中に、ポツンと 私ひとりでいるなんて、、、なんとも 不自然な感じだった。
今頃、あなたは 東京ドームにいるんだね。。
もうすぐ、今回のツアーも 終わりを迎えようとしている。
最後の ステージを前に、 今頃 何を思っているのだろう。。
間もなく 会場のライトが消える。
私は 紙袋から 持ってきたものを取り出し、 一息ついた。
「急がなきゃ。」
* * * * *
毎年の事ながら ステージの上で ケーキのろうそくを吹き消した俺。
あれ、、、 どうしたらええんか かなり微妙なんやよなぁ。
いつになっても 慣れへんわ。。どんな顔をしたらええもんか、
どんなふうに お礼を言えばええもんか、めっちゃ 悩むんやって。
お陰で すっかり気疲れして 何を食べたのやら 何を飲んだのやら、そんなことさえ覚えていない。
折角の打ち上げだというのに。
まぁ、今回のツアーは なかなかの出来ではないかと。
剛は 時々 つらそうな顔をしてはいたが それでも 頑張ってくれたし。
生きた音の中で ステージを作れたことは 何よりだったし。
とにかく満足のいくもんに なったな。。。と、それでも 俺は ひとりで余韻を楽しんでいだ。
心地よい疲れの中で。
ミーティングを兼ねた打ち上げから帰ると 玄関に ブーツが。。
ドアを開けてすぐに 目に飛び込んできた。
これ 見覚えがある。。てか、他のやったら 怖いやん。
。。。そうか、こないだ 贈ったもんな。
「
?」
部屋に入ると リビングの スタンドの灯りだけが点いていた。
は 明るすぎるのも、暗すぎるのも苦手なんやった。
ほどよい、ほんのりした 灯りがお好みらしい。
温かみのある ほんのりとした 白熱灯の灯りが。
たぶん、広い部屋の中に ポツンといるのが 嫌なんだろう。
淋しいというのか、独りを 痛いほど感じる 蛍光灯の明るさが。
てか、、眠ってるし。。ソファに うつぶせて。
。。。手の中に、しっかりと 暖かそうな物を 抱きしめて。
けど、それだけじゃ 寒いやろ。。。なんか 羽織らんと。
寝室から 毛布を取ってこようと 足を向けた。
「ん? 何時なんや?」
偶然 時計に目をやったものの、、、それは 12時少し前で 止まっていた。
「おかしいな、、、どう考えても そんなことあれへん。
俺が 車から降りた時には 確か 4時とか過ぎとったはずやし。」
あ、、、これ、止まってるやん。 動いてへん。
電池切れか??
「。。。へ。。。?。。」
時計を手にとって 初めてわかった。
・・・電池が 抜けてる。。なんでやの。 ありえへん。
部屋の中を見渡して ・・・ 「はいはい、、キミやね」
の傍にある テーブルの上に、 それは乗っかっていた。
・・・と 同時に、その隣に 見慣れない物があることに気付いた。
「なに、、、これ?」
二本の 細い竹で出来た棒と、 黒とグレーの中に 少しだけブルーが混ざった ふわっ とした物。
毛糸玉?
よく見ると、それは
が抱きしめている 暖かそうな物と 同じ色をしていた。
ちょっと ドキッとした気持ちと、ちょっと 温かな気持ちが 一度に俺の中を通り過ぎたのを感じた。
今日って、本当は 実家に帰っとるはずやなかったか?
「光ちゃんは どうせお仕事で忙しいでしょ?」 って メールにあったよな。
ああ、、そんなことより 毛布。 このままやと、風邪ひいてまうがな。
寝室から持ってきた毛布を そっと かけてやる。
「・・・ん? ・・・
あ゛ 光ちゃん、ごめん。 寝ちゃったんだ。。」
「ああ、、起こした? 悪い。。。ぷっ。。(爆)」
が、慌てて 手に持っていた 温かそうな物を 後ろに隠そうとするから。。。
ごそごそしながら、苦笑いを浮かべる、、まだ 眠そうな顔で。
思わず ふきだしてしもた。。
「笑わなくてもいいじゃん。。そんな。」
「いやいや、、なんとなく・・・んで それ?」
ばれてるんだから仕方ないよね、、と、ごそごそと後ろから取り出すと 膝の上に それを置いて 彼女はゆっくりと話し始めた。
実家からは お昼ごろ帰り、夕方から この部屋にいたこと。
いいものが 見つからなくて、思い立って 道中 毛糸を買って、それから編み物を始めたこと。
。。。だから、マフラーしか出来なくって、しかも まだ フサがついてない・・・つまり、未完成だってこと。
そして。。。時計の謎。
「だって、、、光ちゃんの お誕生日だもん。。」
ってことらしい。
当然 午前様になるであろうことは 覚悟はしていたものの、それでも 時計の針が気になって仕方なかったんやって。
「ここだけは、、、この部屋だけは 1月1日が良いv と思って。」
それで、12時前で 電池を抜いたんや。(笑) おまえらしいな。
で、完成寸前で 少し安心したんか、 そのまま 眠ってしもた ってわけか。
そういう、、、なんか いじらしいトコ たまらんわ。
口には出せへんけど、、、 充分 俺は 嬉しいよ。
が ここに居てくれることと、 そして こうやって 祝ってくれてることが。
俺にとっては、最高にhappyな 誕生日だよ。
今みたく、照れ隠しに 苦笑いだか なんだか その自然な表情を 間近で 見られることが 一番のプレゼントだよ。
「ありがとう。」
・・・キミは ほっぺを膨らませ気味に 微笑んだ。。
〜 Fin 〜
あとがき * ちょいとばかし 思い付きで書き上げ
ちゃいました。
絶対に間に合わないと思ってたんですけ
どね。。。間に合っちゃいました。^^;
光ちゃんの バースディ・コンには行け
ないけれど 私なりのお祝いの仕方、、ってことで。
「 ハッピー☆バースディ 光ちゃ
ん!」
それでは、次回 ここでお会いできる日
まで。。。
2004/12/30 〜 乃々 〜